今秋ドラフトの目玉で最速156キロ右腕の創価大・田中正義投手(4年=創価)が、右肩痛で離脱後最長の8回を2安打1失点に抑えて白星発進した。4月23日・共栄大戦以来の公式戦で最速153キロ。5回1死まで完全投球で7三振を奪い、11球団30人のスカウトの前で復調を示した。

 田中は1点を失った直後の7回から、走者なしの場面でもセットポジションで投げた。「今までやったことはないけど、無駄な動きがなくなってバランスが良くなった」。ノーワインドアップ時と比べても、球速は落ちなかった。直球8割の配球で抑え込み、予定の100球を前に8回87球で降板。「次につながると思う」と手応えを口にした。

 7月下旬に軽度の右太もも裏肉離れで再調整を余儀なくされ、開幕前の実戦登板は2試合だけ。それでも初回から150キロ超えを連発した。自己採点は「50点くらい」と厳しかったが、新境地を見いだした。【鹿野雄太】