ヤクルトが、国内フリーエージェント(FA)権を取得した中日平田良介外野手(28)の調査を本格的に進めることが15日、明らかになった。平田がFA権を行使する場合は、争奪戦に積極的に参戦していく方針。故障者続出だった今季は、リーグ優勝を果たした昨季から一転、苦しい戦いを強いられた。実力派20代の獲得が実現すれば、チームにとって極めて大きな補強となる。

 平田がFA権行使した場合と仮定して、球団関係者は「もちろん検討すべき選手の1人」と話した。獲得となれば、川端-山田-平田と侍ジャパンのメンバーで、打線の主軸を形成するオプションも可能となる。ファンにとっても、2年ぶりの優勝に期待を持てる布陣となりそうだ。

 ただし、チームとしての補強の最重要ポイントは、あくまで投手力アップだ。10月のドラフト会議でも、1位候補には即戦力投手の獲得を検討している。同時に先発タイプの新外国人選手も調査を本格化させている。

 並行して、右打ちの強打の外野手を探していた。今季は日本ハムを戦力外となった同じタイプの鵜久森を補強したが、さらなる厚みを持たせたい考えがある。その中でまだ30歳手前で、パンチ力に定評がある平田の名前が候補に挙がった。またチームはディフェンス力向上も重視しており、そつなくこなす守備にも注目している。

 昨季は14年ぶりにリーグ制覇したヤクルト。今季は川端、畠山、雄平と主力の故障の離脱により、戦力ダウンが否めなかった。現時点で平田本人の来季の去就は未定だが、球団関係者は「もちろん来てくれたらうれしい」と、備えを万全にするつもりでいる。権利行使ならば、今オフの争奪戦は必至となる。早期から動向を注視していく。

 ◆平田良介(ひらた・りょうすけ)1988年(昭63)3月23日、大阪市生まれ。小1で野球を始め、大阪桐蔭では甲子園に2度出場。05年高校生ドラフト1巡目で入団。15年のプレミア12では8試合に出場し26打数11安打、打率4割2分3厘、6打点と活躍した。今季から導入しキャプテンに就任。177センチ、88キロ。右投げ右打ち。推定年俸7000万円。家族は夫人と1男1女。