今秋ドラフトの目玉で最速156キロ右腕の創価大・田中正義投手(4年=創価)が、「ケンカ投法」で春の雪辱を果たした。共栄大戦に先発し、6回3安打7奪三振1失点。10日の初戦では見せなかった気迫と内角攻めで3連勝に導き、日米9球団のスカウトの前で最速153キロを計測した。

 「シャーッ!」「オラーッ!」。田中が、珍しくマウンドでほえた。「行け行けで来た相手の勢いを止めたかった」。今春リーグ戦の同大戦(4月23日)では右肩痛を訴えて2回で緊急降板。チームも敗れ、優勝を奪われた相手に2度負けられなかった。

 鬼の形相で150キロ台を連発したが、6回にガス欠した。先頭への四球から失点し、79球で池田隆英投手(4年=創価)に交代。「肩や肘は問題ないけど、体がきつかった。池田に助けてもらった」と感謝した。完投を視野に入れていた岸雅司監督(61)は「飛ばしすぎてバテたね(笑い)。腕の振りや球の勢いは良くなってるよ」と言った。完全復活の時は、確実に近づいている。【鹿野雄太】