8月中旬に負傷した右肋骨(ろっこつ)の亀裂骨折の影響でスタメンから外れた陽岱鋼外野手(29)が、守備で好プレーを連発してチームを救った。

 7回に代打で登場し、その裏から中堅守備に就くと最初のプレーで今宮の左中間への大飛球を、外野フェンスに患部を直撃させながら好捕。ピンチの芽をつみ取った。

 極め付きは最終9回。1点リードで2死二、三塁と一打出ればサヨナラ負けの状況。外野は前進守備を敷いていたが、江川の打球は中堅後方を襲った。「(打球が)フェンス近くまで行くなと思った」と、一目散に打球の落下地点を目指して全力疾走。打球からは目を切っていたが追いついて捕球。チームを勝利に導いた。「(患部に)痛みはありますけど、そこは何も言えない。1つ1つ勝って。やるしかない」と、大逆転優勝への執念を見せた2つのビッグプレーだった。