日本ハム大谷翔平投手(22)が、来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に「二刀流」で出場する可能性が高いことが2日、分かった。これまで球団管轄以外でのプレーではどちらかに限定してきたが、このほど日本ハムが二刀流起用を容認する方針を固めたことが判明した。前哨戦となる壮行試合(11月10日~、東京ドーム)も、初めて打者としての出場が濃厚だ。

 世界一奪還を期す侍ジャパンに、最強の2本の刀が授けられる。球団側は侍ジャパン側から要請があれば、投手と打者としての起用を、全面的に容認する方針を決めた。これまで故障の恐れなどもあり球宴も含め、球団管轄以外でのプレーではどちらかに限定してきた。プロ4年目を終え、機は熟したと判断したため、規制を解除。小久保監督をサポートするためにも、結論を出した。

 破壊的な躍進を遂げ、国際舞台での「二刀流」の夢が現実味を増した。大谷は、かねて投手と打者で出場する希望を温めていた。今季は投手ではコンディション不良などで一時離脱はあったが、10勝4敗で3年連続2ケタ勝利。防御率1・86で、日本球界最速を更新し続ける球速も164キロまで到達した。打者では104試合に出場で打率3割2分2厘で22本塁打と、キャリアハイの数字を残した。

 現状で両面で代表に値する力を持つことを証明した。栗山監督を含めた球団側は「世界一の選手になってもらう」と、侍ジャパンが大谷の両方の才能を必要とすれば、協力は惜しまないとの方向性を出した。「投手」、「中軸」、「代打の切り札」など1人で多様性を持ち、プラス要素は十分だ。小久保監督の最終判断となるが、大谷本人の意向に加え、球団側の姿勢も固まり「二刀流」を、世界舞台で解禁できる状況が整った。

 デモンストレーションも敢行されそうだ。11月にメキシコ、オランダの両代表との4試合の壮行試合が行われる。球団側は投手での起用は1年間の負担を考慮し、見合わせてもらうよう申し入れる考え。だが打者として招集を受ければ、快諾する方針でいる。侍ジャパン側が「二刀流」のテストケースとして必要とすれば、侍ジャパンの一員として、初めて打席に立つ舞台になる。2大会ぶり3度目の世界王者へ向け、日本が誇る「二刀流」が起爆剤になりそうだ。