日大の長沢吉貴外野手(2年=佐野日大)が、リーグ戦1号のランニング本塁打を含む4安打と大暴れした。6回2死一塁で左翼への打球処理を誤った相手守備の隙を突き、50メートル5秒8の快足を生かして生還。13安打11得点の快勝で、専大に雪辱した。

 「今秋ドラフト1位候補より速い男」が、驚異のスピードを見せつけた。長沢は6回の第3打席、前進してスライディングキャッチを試みた左翼手の前で打球が跳ねると、一気にギアを上げた。ランニング本塁打は高2以来。「落ちた瞬間に(ホームまで)来る気だった。最後は足がもつれてコケた感じだったけど、うれしかった」と照れた。

 足は誰にも負けない。今夏の練習中、50メートル5秒9でプロ注目の京田陽太内野手(4年=青森山田)に挑まれた30メートル走で勝った。昨秋ドラフト5位でヤクルト入りした先輩で、今季イースタン・リーグ盗塁王の山崎とも「同じくらいだと思う」と胸を張る。陸上部だった中学時代は100メートル11秒2の記録で県大会出場。早くも「プロに入っても速い。再来年のドラフト候補」と話すスカウトもいる。

 この日の4安打で打率4割5分5厘とし、リーグ5位に急上昇。京田と一緒に打撃練習も行う長沢は「2番として、つなぐ打撃をしていきたい」。優勝と首位打者を目指して突っ走る。【鹿野雄太】