プロ野球巨人の野球賭博事件で、賭博開帳図利ほう助と常習賭博の罪に問われた元投手笠原将生被告(25)に、東京地裁(細谷泰暢裁判官)は5日、懲役1年2月(求刑懲役1年2月)、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。賭博開帳図利の罪に問われた小胴元の斉藤聡被告(38)には懲役1年6月(同懲役1年6月)、執行猶予4年を言い渡した。

 笠原被告はストライプの入った緩いシルエットの黒スーツにネクタイ姿で入廷。時折、眠たそうに目を閉じたり、現役時代に比べて肉のついた頬をふくらませたりして、判決理由を聞いた。細谷裁判官は「(犯行時の笠原被告は)規範意識が鈍磨しており、多くのファンがいるプロ野球の信用失墜の一因となった。社会的な責任は大きい」と指摘した。弁護側は控訴の可能性について「コメントできない」としている。

 起訴状では、笠原被告は14年9月~15年8月、松本竜也、高木京介両元投手(賭博罪で罰金刑確定)から賭け金を集めるなど、斉藤被告の賭博を手助けしたほか、自分でも450万円を賭けたとしている。斉藤被告は14年5月~15年8月、笠原被告らを相手に、プロ野球や高校野球を対象に野球賭博を開いたとしている。

 巨人の野球賭博事件は、暴力団幹部の逮捕にまで発展。警視庁は先月、指定暴力団山口組系組幹部三宅雅剛容疑者(42)ら中胴元3人を賭博開帳図利の疑いで逮捕した。三宅容疑者の組は伝統的に野球賭博を資金源にしてきたとされる。笠原被告が賭博をし、野球賭博の犯行を手助けした斉藤被告は、三宅容疑者ら3人に誘われて野球賭博を始めていた。警視庁組織犯罪対策4課は、客の賭け金が上位の胴元に上納されていくピラミッド構造の解明に向け、大胴元の摘発も視野に捜査している。