東大のエース宮台康平投手(3年=湘南)が立大戦に抑え役として今季初登板し、初勝利を挙げた。1点をリードした9回、4番手として登板。押し出しの四球を与え同点とされたが、10回に打線が勝ち越し、勝利をつかんだ。今春2勝しており、東大投手の年間3勝は98年の遠藤良平(現日本ハムGM補佐)以来。

 今季初勝利に沸く東大ベンチの中、宮台だけは喜べなかった。「反省が多いです。四球が」。9回に1点を勝ち越したその裏、抑え役として登板した。ところが制球が定まらない。先頭打者に四球、送りバント、安打と続いてさらに四球。2死満塁から押し出し(四球)の1点を与えた。

 150キロ左腕が、この日の最速は143キロ止まり。それも1球だけ。ボールが高めに抜けるシーンが再三あった。「緊張しました。チームが勝てたのはよかったですけど」。10回に打線が勝ち越し、幸運な通算4勝目が転がり込んだ。

 浜田一志監督(52)は今季7試合目の初登板をこう説明した。「朝、肩の状態がいいというんで、同点以上で終盤ならと」。8月の北海道キャンプで肩の不安を訴え、調子が上がらないままリーグ戦に入った。前週、やっと「ブルペンにも入り準備を進めています。やれといわれたことをやるだけ」と話していた。

 1回で38球を投げ、1失点。浜田監督は評価は厳しかった。「30点ぐらいですか。ぶっつけ本番の形でしたが、落第点です。勝ち点を目指して、もう1度出てきて抑えてくれれば」と話した。やっと神宮のマウンドに戻ってきた宮台は「体と相談して、全力で投げられるように準備していきます」。リベンジを誓った。【米谷輝昭】