「初戦は大事」-。4年ぶりにリーグ優勝した日本ハムは、大谷翔平投手(22)が今日12日のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦に先発する。リラックスした様子で最終調整を行い、3年連続日本一を狙うソフトバンクの勢いを止めるつもりだ。「継投は流れが変わる」と完投で勝利に導く覚悟を決めた。

 大谷の口から、完投宣言が飛び出した。「投げてないので(マーティン)本人も不安があると思う。継投は(試合の)流れが変わる。先発が(最後まで)いければいいと思う。長い回を投げられればいい」。守護神・マーティンがケガから復帰はしているが、“開幕”を託されたエースとして、言い切った。

 ブルペンで約30球を投げ調整した。5日の紅白戦で1回を投げたが、公式戦の最終登板はリーグ優勝を決めた9月28日。試合勘が気掛かりだが「いい間隔でいけること自体が少ないと思う。時間は十分にあった。しっかり調整してきた」と口調には自信が漂う。

 今季のソフトバンク戦は、4試合に登板して2勝負けなし、防御率1・26。シーズン終盤の天王山となった9月21日の対戦でも、8回1失点(自責0)と好投している。当時と違うのは、柳田が帰ってきている点だが、大谷は「いい打者ですし、大事なポイントだとは思うけど、そこさえ抑えられれば勝てるというものではない」と、ひとりの打者を意識しすぎず、打線全体を通してのゲームプランニングをしている。

 今季で引退する武田勝から、Tシャツに直筆で「初戦は大事」とメッセージを書いてもらった。その思いは同じ。2戦目以降は野手としての貢献も期待されるが「まだ明日(12日)のことしか考えてないです」とキッパリ。「(初戦勝利を)いいきっかけとして、チームが勝っていければいい。勝てば何でもいいです。試合をつくることが大事だと思う」と言い聞かせるように話した。

 指名打者解除で打席に立つかも注目される。栗山監督は明言を避け「まずは投げることをしっかりやってほしい」と話した。今季のソフトバンク戦で打率4割超とバットでも期待される大谷は「起用してもらったところでしっかりやる」と落ち着いていた。ファーストステージを勝ち上がってきたソフトバンクの勢いを分断する。【本間翼】