来春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の侍ジャパンの守護神筆頭候補に、レッドソックス上原浩治投手(41)が挙がっていることが16日、分かった。11月の強化試合では大リーガーの招集は見送られる見通しだが、小久保裕紀監督(45)は、2大会ぶりの優勝を狙うWBCでは最強ジャパン結成を目指すことを公言。大リーグ所属の日本人投手の中でも、レ軍上原と、先発ではドジャース前田健太投手(28)を軸に、招集を目指していくことになりそうだ。

 2大会ぶりの世界一奪還を目指すWBCでは、絶対的守護神の存在が欠かせない。米国、ドミニカなどの強打者は、国内の日本人投手にとっては未知の相手。WBC、五輪などで国際大会無敗を誇る上原が加入すれば、現役大リーガーとしての実績、豊富な国際経験など、チームにもたらす影響は絶大だ。

 3位に終わった昨秋のプレミア12では、準決勝の韓国戦で3点リードの9回に4失点して逆転負けした。9回を締めるクローザーの確立は、チーム最大の課題に挙がる。侍ジャパン関係者は「今年日本の抑えで、良かったピッチャーはあまりいない」と話す。上原は右胸筋痛で7月から約2カ月戦線離脱したが、9月に復帰すると、11試合連続無失点と抜群の安定感を披露した。

 小久保監督は8月に渡米し、日本人大リーガー全員と面談を行った。レッドソックスを訪れた際は、救援陣強化の必要性に言及。「そこが一番の重要ポイント、課題。必要だと思っています」と話している。

 上原は今オフFAとなり、現状では来季の所属球団は未定。出場の可否は、所属球団の意向にかかっているが、侍ジャパンとしては招集を目指していくことになりそうだ。先発投手陣では、右ひじ靱帯(じんたい)再建手術から復帰1年目のレンジャーズ・ダルビッシュに対して、ダニエルズGMがWBC出場に難色を示すなど、長期契約中のヤンキース田中らにはハードルがあるとみられる。ド軍前田は、昨秋のプレミア12に出場するなど小久保ジャパンの常連。WBC準決勝、決勝は本拠地ドジャースタジアムが舞台で、出場の後押しとなる可能性もある。「クローザー上原」、「先発前田」が加われば、侍ジャパンにとって大きな力になる。