侍ジャパン入りで再生を加速する。阪神藤浪晋太郎投手(22)が11月に行われる侍ジャパン強化試合、メキシコ、オランダ戦(10~13日、東京ドーム)のメンバーに選出される見通しとなった。15年3月欧州代表戦以来の侍ジャパン入り。直前の高知・安芸秋季キャンプでは「毎日ブルペン」でフォーム固めを図る予定。来年3月のWBC、そして来シーズンにつなげる挑戦が始まった。

 「侍ジャパン」で、虎の大黒柱が目を覚ます。藤浪が阪神で唯一、11月開催の侍ジャパン強化試合メンバーに選出されることが確実となった。今回は阪神から選出なしの予定だったが、他球団投手との兼ね合いもあり、最終的に白羽の矢が立った形。15年3月欧州代表戦以来、1年8カ月ぶりに「日の丸」を背負うことになった。

 16日の甲子園秋季練習ではシーズン終了後、初めてブルペンに入った。変化球を交えながら「軽く」50球前後を投げた。

 「変化球のバランスも大事。変化球の方がフォームのバランスが分かりやすかったりするので」。シーズン最後の登板2試合で計15イニングを1失点。つかんだ手応えを手放すまいと、フォーム固めに取り組む。

 侍に合流する直前。10月29日に始まる阪神の秋季キャンプでは「毎日ブルペン」を敢行する予定。香田投手コーチは「1日1度はブルペンに入って、マウンドの傾斜を使ったフォームの確認をやっていきたい。(投球は)1日おきというか、4勤だったら最低2日は入ってほしい」と説明。ネットへの投球、シャドーピッチングを含めて毎日ブルペンのマウンドを踏ませる計画だ。

 高知でじっくりフォームを固め、11月6日からは侍ジャパン直前合宿に参加。10日から4試合行われる強化試合に臨む。昨年11月は国際大会「プレミア12」のメンバーに選ばれながらも右肩炎症の影響で辞退。今回の強化試合は来年3月WBCに向けた、貴重なアピール舞台にもなる。今季はまさかの7勝どまり。それでも侍ジャパンに選ばれる潜在能力の持ち主だ。17年シーズンの巻き返しを、日の丸を背負っての投球が後押しする。【山川智之】