阪神で07年の新人王に輝き、今季はオランダリーグでプレーしていた前楽天の上園啓史氏(32)が、来年から独立リーグのBCリーグに新規参入する滋賀の監督に就任することが17日、明らかになった。

 野球への情熱は人一倍、強い。昨オフ、楽天を戦力外になり、12月下旬にオーストラリアのウインターリーグでプレーしたのを最後に1度は現役引退を決意していた。だが、夢を断ちがたく、今年は指導者を目指して選手兼任の立場でヨーロッパへ。日本より歴史が古いオランダリーグのオースターハウト・ツインズでプレー。同僚や学生らに緻密な日本の野球を教えるなど国際経験を育んできた。

 阪神OBでは元監督の藤田平氏がBCリーグ福井や関西独立リーグ紀州の監督に就いたほか、中田良弘氏が関西独立リーグ神戸を率いた。また、今季まで吉竹春樹氏が福井の監督を務めたほか、今オフに阪神2軍育成コーチに転身した藤井彰人氏も福井で指導者修業していた。プロ野球振興に一役買うOBの1人として上園氏もその列に加わる。

 新球団の滋賀は、3月に栃木とともに準加盟球団として認められていた。かつて同じ関西の阪神で活躍し、32歳とフレッシュな上園氏に白羽の矢を立て、監督就任を要請していた。同リーグは来年から10球団で覇権を競う。滋賀では初めてのプロ野球チーム。その歴史的な1歩を刻む新生滋賀を率い、新たなチャレンジに臨む。