野球独立リーグ、BCリーグ新潟の県出身2投手がプロ野球ドラフト会議(20日)での指名を待っている。高井俊投手(21)と前川哲投手(20)だ。ともにチーム在籍2年目で、高井は最速152キロ、前川は148キロの速球がプロの目にとまった。巨人、DeNAなど複数球団が育成選手指名を含めてリストアップしているという。BC新潟では11年の育成選手ドラフトで雨宮敬投手(29)と渡辺貴洋投手(24)が指名されたが、正規の指名はまだない。2人は球団の期待も背負って吉報を待つ。

 前川は「ドラフト当日が楽しみです」と笑顔を見せる。9月11日のシーズン終了後、ランニング、キャッチボールなど、自主練習は軽めの内容。今季は前期が先発、後期は抑えに回ってフル回転した。その疲労を取りながら大切な日を待っている。

 「(ドラフト会議で)名前を呼ばれたらラッキーです」と、過剰な意識はない。一方で、「実力がついた手ごたえはある」。入団1年目、140キロだった直球の最速は148キロに伸びた。「まだ変化球の制球力など、課題が多い。即戦力ではないと思うので、育成でもプロに入れればうれしい」と本音を口にする。

 努力を重ねた自負がある。昨季は7試合に登板して未勝利。その悔しさを晴らそうと肉体改造を始めた。冬場から走り込みを重点的に行ってきた。

 昨季は1人暮らしだったが、体調管理を万全にするため、今季は柏崎市の自宅に戻った。母和世さん(55)が栄養を考えた食事を用意してくれるなど、環境が整った中で、野球に打ち込んできた。

 入団時体重は74キロだった体重は90キロに。それに伴って球速もアップ。「練習すれば結果につながる。それがやる気につながった」。その積み重ねで見えたプロ入りという目標。「かなえたいです」と真顔で言った。【斎藤慎一郎】

 ◆前川哲(まえかわ・さとし)1996年(平8)5月15日、柏崎市生まれ。大洲小2年で野球を始める。柏崎第三中では当時直江津中のDeNA飯塚悟史と投げ合う。新潟産大付に進み、3年の春季県大会ベスト4。15年にBC新潟に入団。今季は29試合登板、5勝3敗、防御率3・82。好きなプロ野球選手はオリックス金子千尋。180センチ、90キロ。右投げ右打ち。