最後は首を振ってシンカーで仕留めた。ロッテからドラフト1位で指名された桜美林大・佐々木千隼投手(4年=日野)は空振り三振でリーグ初優勝を決めると、両拳を握りしめて雄たけびをあげた。東海大を相手に2失点完投勝利。「今週はドラフトとかいろいろあったけど、23日のこの日の試合を目標にしてきた。ほんとにうれしいです」と喜びをかみしめた。

 ロッテの永野吉成チーフスカウトらが見守り、スタンドには早くもロッテのユニホームを着たり、帽子をかぶったファンまで現れた。そんな中、立ち上がりに苦しんだ。「硬くなってしまった。指名していただいたことに恥じない投球をしたかったけど、思い通りではなかった」と苦笑い。速球が走らず、いきなり2失点。それでも「悪いなりに投げられたのは収穫」と、2回以降は0点に抑え、チームを勝利に導いた。

 この優勝により、明治神宮大会の出場権を争う関東選手権の初戦(31日)でソフトバンク1位の田中正義投手を擁する創価大との対戦が決定した。「(田中は)注目されてすごいですよね。負けたくない相手だなと思います」。直接対決は2-3で敗れた3月のオープン戦以来。今度こそは負けられない。ともに5球団が競合した、注目のドラ1同士の戦いとなる。【竹内智信】