巨人が、オリックスから阪神へ移籍する糸井嘉男外野手(35)に「包囲網」をかける。チームとして、対糸井は通算111打数21安打、打率1割8分9厘、1本塁打と苦手意識は皆無。それでも、来季覇権を争う宿敵への移籍に、高橋由伸監督(41)は「あれだけ打って走れるから、いろいろ考えないといけないことが出てくるでしょう」と21日、警戒感を示した。

 勢いを寸断させる上で「糸井包囲網」は大きなカギを握る。正捕手で期待される小林誠は「全てにおいて、すごい選手。長打もあるし足もある」と要注意。阪神打線の中核を任される可能性が高く「乗せちゃいけない相手」と話した。今季までは他リーグで対戦機会も少なかったが、データと照らし合わせ、攻略法を練り上げる。

 来季から新たに、糸井を知る男も投手陣に加わった。日本ハムからトレード移籍の吉川光は、チームメートと対戦相手両面の糸井を知る。対戦成績は4年間で通算38打数12安打、打率3割1分6厘。攻略法について「踏み込ませないこと。内角にしっかり投げないと、外の球も踏み込まれて、打たれる」と内角攻めをポイントに挙げた。

 今季、対阪神は15勝9敗と5年連続で勝ち越しを決めた。対戦防御率2・62と安定した投手陣が大きな要因で、「糸井包囲網」は、すなわちチームの勝利に直結する。阿部、内海、山口、長野らは13年WBCの侍ジャパンでチームメート。宿敵阪神に移っても、沈黙させる。【久保賢吾】