中日はDeNAからFA宣言した山口俊投手(29)からの返事を、“無期限”で待つ。西山和夫球団代表(67)は11月30日、早い決断を求めるかの問いに「そこは別に。そこは心配していない。大事な決断なので、自然体で待つだけ」とコメント。右腕の意向を最大限尊重し、せかさないつもりだ。

 巨人との争奪戦になった山口に対し、5年総額10億円以上の大型契約を提示していることが29日に判明した。今オフの重要な補強ポイントである先発右腕は、ノドから手が出るほどほしい存在。巨人にひけを取らない好条件で本気の勝負に出た。

 一方で去就問題が長引くと、チーム編成に影響も出てくる。森監督は山口を獲得できるかどうかによって、新外国人の人数やタイプに変動が出てくると話す。現在、メジャー経験のある先発、リリーフの獲得に乗り出している。

 メジャー球団の編成担当が集まるウインターミーティングは4日に開会。会議後から移籍市場が活発化し、新助っ人の見通しも立ってくる。国際渉外担当でもある友利投手コーチを派遣するが、当然、FA腕の結論が早いほど現地でも動きを取りやすい。

 それでも、西山代表の口ぶりからは山口取りを最優先する決意がうかがえる。中日か巨人への移籍に選択肢を絞った山口は、今月上旬には結論を出すとしている。答えは近日中とみられるが、中日は慌てず騒がず、注目右腕のベストチョイスを見守る。【柏原誠】