プレーバック日刊スポーツ! 過去の12月17日付紙面を振り返ります。2010年の1面(東京版)は日本ハムのドラフト1位早大・斎藤佑樹投手がプロ野球の新人史上初めての勲章を手にしたことを伝えています。

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 日本ハムのドラフト1位早大・斎藤佑樹投手(22=早実)が、プロ野球の新人史上初めての勲章を手にした。16日、新聞や雑誌の記事データサービスを提供する「エレクトロニック・ライブラリー社」(東京・品川区)が、「2011年の注目キーワード」10個を発表。斎藤が、個人名、スポーツ界で唯一のランクインを果たした。注目度の高さは、もはや球界、スポーツ界を飛び越えていることが証明された。この日は都内のホテルで行われた早大の秋季リーグ、明治神宮大会優勝の祝賀会に出席した。

 過熱する佑ちゃんフィーバーは、野球界だけにとどまらなかった。記事データサービスを提供するエレクトロニック・ライブラリー社が発表した「2011年の注目キーワード」のトップ10に、社会・その他分野で「日ハム入団が決定し、スター性のオーラを放つ“斎藤佑樹”」が堂々とランクインした。

 このキーワードは、同社が提供するデータベースに登録されている約220万語の中から、ヒット数の増減を数値化、分析したもの。斎藤以外には、政治分野で「中国」「統一地方選挙」、経済産業分野で「アンドロイド」「インターネットテレビ」、社会その他分野で「大阪駅」「クーポン(共同購入)」などが選ばれた。個人名で入ったのはたった1人だった。

 同社のキーワード予測は86年から始まったが、野球界から選ばれたのは、メジャー移籍した07年の松坂大輔以来になる。個人名でのランクインも09年のゴルフ石川遼以来のことで、新人選手としては当然史上初めてだ。同社関係者は「(ドラフト以降の)11月に入って、急激に指数が上がりました」と驚いた。

 斎藤はこの日、都内で開かれた早大の秋季リーグ戦、明治神宮大会の優勝祝賀会に出席。「4年間、早稲田のユニホームを着させてもらって、キャプテンをやらせてもらって、いい思い出ができました」と集まった仲間やOBに感謝した。

 最後の大会を終えてからも日本ハムとの契約、入団会見だけではなく、流行語大賞表彰式の出席など、多忙な日々を送ってきた。「気疲れ? あると思います。高校3年の時もこんなにイベントはなかった」と話したが、これで主だった年内行事も終了。年明けの入寮、新人合同自主トレ(鎌ケ谷)に向けて、いよいよスイッチは切り替わる。

 「斎藤佑樹」とともにランクインしたキーワードの中には「就職難」という厳しい言葉も並んだ。プロ野球選手として、社会人1年目を迎える来季。「自分が好きな野球をやって仕事ができる環境ですし、一生懸命やって、夢と希望を与えられるような選手になっていきたいです」。球界の枠を超えて社会現象を巻き起こす佑ちゃんが、日本の未来を明るく照らす。

※記録と表記は当時のもの