入場から笑顔だった。ヤクルト時代の自らの応援歌をBGMに、新監督は白い歯を見せながら会見場に現れた。ルートインBCリーグ新潟の加藤博人新監督(47)が9日、ハードオフ新潟で就任会見を行い、「いつかは監督をやりたいと思っていました。快くお受けさせていただきました」と、自身初の監督就任要請を受託した理由を話した。

 新潟は今季、08年から続いていたプレーオフ進出を逃した。シーズン後、抑えの高井俊投手(21)が育成ドラフト1位で巨人入りし、打の主力だった野呂大樹外野手(28)が引退した。来季、仕切り直しの陣頭指揮が加藤新監督の使命になる。

 ヤクルトで変則左腕の中継ぎとして活躍した経験は、指導者として生きている。四国ILでは主に投手コーチを務め、合計4人の投手をNPBに送り込んだ。15年には愛媛で独立リーグ日本一にも輝いた。そのときの相手が新潟で、「あのときはベテランが多く、役割を分かっているチームという印象だった。今は選手が入れ替わったので、若手をどんどん使っていきたい」と育成に意欲を見せた。池田拓史社長(35)は「監督として力を貸してください、とお願いした。リーグの先頭を走ってもらいたい」と期待した。

 初始動は来年2月上旬を予定。加藤新監督は「自主トレ中の選手と会って、面談もしたい。全力プレーで全力疾走。それをしない選手は使わないくらいのつもり」。「全力」を掲げて率いていく。

 ◆加藤博人(かとう・ひろと)1969年(昭44)4月29日、千葉県出身。八千代松陰から87年にドラフト外でヤクルトに入団。97年に自己最多の60試合登板して防御率1・99。日本シリーズ制覇にも貢献した。01年は近鉄、02年は台湾プロ野球の誠泰太陽に所属し、02年で引退。05年から08年まで四国IL香川の投手コーチ、09、10年は同徳島のコーチ。11年から13年はヤクルトの2軍投手コーチを務めた。14年から四国IL愛媛の投手コーチ。NPBでの通算成績は27勝38敗8セーブ。