ありがとう宮城! 15年から拠点を東北・宮城に置いて活動していた日本女子プロ野球リーグのレイアが、来季から本拠地を京都に移転させる。メンバー10人中7人がトップチームへ昇格する。兵庫ディオーネに加入するエース古谷恵菜投手(20)と「美人すぎる外野手」こと、5番みなみ(20)がレイアでの2年間を振り返り、来季からの意気込みを語った。

 後ろ髪を引かれる思いで、2年間過ごした宮城を去る。レイアの投打を支えた古谷とみなみは口をそろえた。「ここでやってきたことをトップチームでも発揮したい。宮城から離れても応援されるような選手になりたい」。京都移転が発表されたと同時に、撤退を惜しむ声が相次いだのは大きな足跡を残した証拠。万感の思いを胸に、東北での武者修行を終える。

 目標に掲げたジャパンカップ出場こそ2年連続で逃したが、技術は飛躍的に伸びた。元巨人ドラフト1位左腕で、来季は埼玉に配置転換される辻内崇伸コーチ(29)の加入が大きかった。自己最速を119キロまで伸ばし、今季3勝を挙げた古谷は「コーチから教えてもらったトレーニングメニューのおかげで成長できた」と胸を張る。

 辻内コーチの飾らない人柄もレイアにマッチした。みなみは「人見知りで元プロとは思えないギャップがある。いい感じのパパです」と笑う。いじられ役を演じることでチームを盛り上げてきた辻内コーチは「今後は指導者として威厳を保ちたいですね」と頭をかきつつ「東北に限らず女子プロ野球をもっと広めて、成長を楽しみに見てもらいたいですね」と力を込めた。

 トップチームでの活躍を夢見て汗を流してきた。古谷は「2年目は余裕を持って試合に入れた。フォームも固まって球のキレも出た」と自信を見せる。チーム最多9打点のみなみも「ホームランは打てなかったけど、打点は稼げた。来年は打率をもっとキープしたい」と笑顔。本拠は京都に移すが、来季も宮城県内で公式戦は開催予定だ。

 白とエメラルドグリーンを基調としたユニホームで、さっそうとフィールドを駆け回った姿を、ファンは決して忘れない。さようならレイア!【高橋洋平】