覚せい剤取締法違反で5月に有罪判決を受けた元プロ野球選手の清原和博氏が29日に放送されたTBSテレビの番組で、現役時代に「グリーニー」と呼ばれる興奮剤を使用していたことを告白した。番組内では現役選手時代の覚醒剤の使用については否定したものの、運動パフォーマンスが高まる効果のあるグリーニーの使用を認めた。

 清原氏は、具体的な使用時期こそ示さなかったが、「僕はグリーニーというものを使用していました。興奮剤です」とインタビュアーに向かって話した。入手経路は「最初は外国人選手にすすめられた」とし、使用した理由については、「連戦が続くと、集中力も落ちますし、体力がきつい時もあった。グリーニーを飲むと集中力がアップしました。実際、(当時は)ルール上でも使っていい状態だったので、その時は使っていました」とした。

 覚醒剤は引退後、慣れない生活によるストレス、プレッシャーから使い始めたという。「大量のお酒を飲むようになった。覚醒剤は軽い気持ちだった」と話した。その後は定期的に覚醒剤を購入したが、使用後は毎回、罪悪感に苦しみ、残りは捨てたという。

 逮捕前、最後に覚醒剤を購入したのは今年1月31日のキャンプイン前日、使用したのは翌日2月1日であることも明かした。「1月31日は野球選手にとって、正月を迎える前の大みそかみたいな日。2月1日がキャンプインですから。その時に、いったい自分は何をやっているんだろうと…」。ふと頭の中に覚醒剤のことが思い浮かび購入すると「また現実逃避をして(使って)しまった」と後悔の日々を振り返った。

 現在は週に1回の尿検査やカウンセリング、薬物依存についての勉強を続けているという。「1回『清原和博』がいやになりましたが、まだサポートしてくれる人もいるので、その方々のために『清原和博』をやり直したい」と、決意を語った。

 今年2月に逮捕され、5月31日の公判で懲役2年6月、執行猶予4年の有罪が確定した。

 ◆グリーニー 米球界で興奮剤を指す俗称。グリーンのカプセルに入っていたことからグリーニーと呼ばれるようになった。集中力が高まり、瞬発力が上がるなどスポーツ選手のパフォーマンスが高まる効果がある。大リーグで問題となり、06年から禁止薬物として指定された。一方で日本のプロ野球は06年にドーピング検査を試験的に導入し、07年から本格的に実施した。清原氏は08年のシーズン後に引退した。