プレーバック日刊スポーツ! 過去の1月16日付紙面を振り返ります。2011年の1面(東京版)は、日本ハムのドラフト1位ルーキー斎藤佑樹投手とダルビッシュ有投手の「初対面」を報じたものでした。

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 佑と有がついに初共演した。日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が15日、都内で行われた日本ハム本社の商品展示会に出席し、ダルビッシュ有投手(24)と公の場で初対面。憧れのエースの存在感に圧倒されながらも、キャンプ中にその一挙手一投足をつぶさに観察する意向も明言。3年前の同じイベントでは中田にダメ出ししたエースからは「僕とは人間としての質が違う」とほめちぎられた。今日16日からの新人合同自主トレ第2クールでは、初ブルペンが予定されている。

 圧倒的な数のカメラのフラッシュが、黄金ルーキーをさらに輝かせた。この日、都内で行われた日本ハム本社の商品展示会。主役はやはり斎藤佑だった。梨田監督をはじめ、ダルビッシュ、稲葉らスター選手がズラリと並ぶ中、約3000人の招待客から一番の歓声を受ける。携帯やデジカメのシャッター音が会場内に鳴り響いた。「本当にありがたいことです。これがずっと続くように自分もがんばらないと」と、主役は恐縮した。

 「佑と有」がドラフト以降、最接近した。会場中央に設置されたイベントブース。斎藤佑が選手紹介の大トリとしてステージに上がった。黄色い歓声は、初めに紹介されたエースをしのぐほど。2人は同じステージの最前列に並んだ。昨年末にはプライベートで顔を合わせたが、公の場では初めての対面だった。

 注目を集めるルーキーに、いつもは辛口のダルビッシュも素直に脱帽した。08年の同イベントでは、奔放な発言を連発していた中田に対し「リップサービスしすぎ」「羽目を外さないように」と苦言を呈していたが、この日は違った。

 ダルビッシュ 僕とは人間としての質が違う。自分はめちゃくちゃなことを言っていたし、態度も違っていた。自分はキャンプでやっちゃってるんで。それとは全然違うと思う。

 今ではチームの大黒柱となった自身も、新人時代には春季キャンプで喫煙が発覚し、謹慎処分を受けた。過去の自分を振り返り、品行方正な斎藤佑に“白旗宣言”だ。

 目標に掲げているエースからベタ褒めされた斎藤佑もまた、その存在感の大きさに改めて気づかされた。同じグラウンドで練習メニューをこなすことになるキャンプでは、24時間目を離さず、“ストーキング”を狙っていることを明かした。

 斎藤佑 体の大きさはすごいですし、雰囲気もありました。全部見たいです。チームメートだからこそ見られるウエートだとか、食生活も含めて勉強になったらいいと思う。外食? 誘われたら行きたいです。

 公の場での“初共演”で、お互いにたたえ合った2人。12月の入団会見では目標の選手として名前を挙げ、年末にはプライベートで時間をつくってもらった。そして再会し、スーツ姿ながらパワーアップしたボディーを目の当たりにした。「すごく体も大きくて、やっぱり目指すべきところはダルビッシュさんだなと改めて思った」と目を輝かせた。楷書ではなく、ひらがなをベースにした新デザインのサインも初めて披露した。人気はすでに主役級だが、今度は本業で本当の主役を目指す。

 ◆ダルビッシュと中田の初対面 08年1月19日、都内で行われた日本ハム本社のイベントで実現。ダルビッシュは「思ったほど背が高くないなあ。僕がデカイのもあるけど」と話した後、それまで一連の中田の奔放な発言に苦言を連発した。「リップサービスしすぎ」「プライベートをしゃべりすぎ」「小遣い30万円は多すぎる」…。また、1年目のキャンプで喫煙問題を起こし、謹慎した自らの苦い経験を踏まえ「休みの日は羽目を外さないように。法律に従って自由に遊べばいい」と、私生活の助言も忘れなかった。中田は「オーラがあった。少し怖いです。経験してるだけあってそういうことを言ってくれると思うし、素直に聞きたい」と爆笑を誘った。

※年齢や記録、表記は当時のもの