澄んだ目で言った。楽天ドラフト2位の池田隆英投手(22=創価大)が18日、壮大な夢を明かした。「将来はアフリカに学校を作りたいですね。1校100万円くらいかかるんですけど。鉛筆やリコーダーを寄付しても、向こうでは生活物資に変わってしまう」と未来ある子どもたちのために足長おじさんとなる決意を口にした。

 大学の講義で学んだ「アフリカの教育」がきっかけだ。同じテーマで卒業論文も制作し、3日間図書館に通い厳しい現実を知った。夢をかなえるためにも、自分のスタイルでプロでの成功を勝ち取るつもりだ。

 この日はKoboパーク宮城の室内練習場のブルペンで、座った捕手を相手に初投球を披露した。直球、スライダー、カーブ、カットボール、フォークを交え41球投じた。横山ブルペン捕手は「まとまってる」と評価した。派手さはないが、即戦力評価の一端を見せた。

 戦友とは違う形で、夢へと向かう。高校、大学の7年間をともに過ごしたソフトバンク1位の田中正義投手(22=創価大)とは同じ学部で、ゼミも一緒だった。「ご飯を食べるのもトレーニングに向かうのも同じ」という仲だからこそ、自分の生きる道を発見した。「正義みたいに全てで空振りは取れない。僕は駆け引きで勝負してきた。カウントが悪くなった時、打者が直球を張っているところで変化球とか」と、頭脳戦という生き方を得た。

 創価高3年時は、毎朝校門の前であいさつ活動を行っていた真面目な男。プロでも地道にゴールを目指す。【栗田尚樹】