昨年まで宮城を本拠地にしていた日本女子プロ野球リーグ・レイアの「美女ツインタワー」が、今年はトップチームの兵庫ディオーネで大暴れする。179センチの長身右腕・古谷恵菜(20)と「美人すぎる外野手」こと、みなみ(20)が先月25日に愛知・一宮市で行われたウインターカップで進化した姿を見せた。先発した古谷は4回2安打無失点と好投し、4月3日の開幕戦に向けて猛アピール。東北の地を離れても、人気コンビは健在だった。

 レイアのエメラルドグリーンから、ディオーネの青と白を基調としたユニホームに着替えた古谷が、進化していた。リーグ最長身の179センチの体から豪快に右腕を振り下ろし、京都フローラ相手に4回2安打3四死球無失点。「今年初の試合でフォームを固めたかった。去年は走者が出たら、フォームがバラバラになっていたけど、今日は崩れなかった」。制球を乱して失点を繰り返す昨年までの姿は、もうマウンド上にはなかった。

 新天地では元オリックスドラフト1位左腕の川口知哉コーチ(37)に師事し、二人三脚で取り組む新フォーム作りが実り始めた。古谷は「後ろに体重を残したまま腕を振ることを意識している」と説明し「実際にコントロールも安定してきたし、ボールにキレが出てきた」と手応えを口にする。川口コーチも「持っているもののレベルは高い。腕も振れていたし、球の伸びもあった」と絶賛した。

 レイア時代の恩師も、愛弟子の熱投を球場で見届けていた。元巨人ドラフト1位左腕の辻内崇伸コーチ(29、現埼玉アストライアコーチ)は古谷に体作りから基礎をたたき込んだ。「トップチームでプレーすることで、全体がレベルアップしていた。球の質が良くなっている」と目を細めた。

 2人の師匠の教えを吸収し、着実に成長を続ける古谷も自信を見せた。「目標は新人賞。10勝はしたい」。女子プロ野球を代表するエースへ成長する1年にしてみせる。【高橋洋平】