若虎よ、振り込みが足らん! 10勝6敗2分けとセ・リーグ最上位でオープン戦を終えた阪神金本知憲監督(48)が、苦言を呈した。最終戦では期待の北條が2打数無安打で7回に代打糸原を送り途中交代。原口も本調子には遠かった。指揮官は練習量の低下による振りの鈍さを指摘。開幕オーダーを決めきれないまま、試行錯誤のオープン戦が終了した。

 オープン戦をセ・リーグトップで終えても、指揮官はどこか歯切れが悪かった。オリックスとの最終戦に2戦連続で同じオーダーで臨んだが、これが開幕戦…とは断言できない。「分からんねえ…、分からんねえ。手応えねえ。どうだろう」。投手陣や糸井らベテラン組には好感触を得ている。しかしチームに勢いを与えるべき若虎が物足りない。だから開幕オーダーが決めきれない。「ちょっと原口、北條が気になるけど、あとは腹を据えてやっていくしかないんだから」。2人の名を不安要素に挙げた。

 特に北條の失速が気がかりだ。キャンプMVPに挙げられ、オープン戦序盤は1試合2発など成長を感じさせた。しかし19日ヤクルト戦からの“あがり”7試合は20打数4安打の打率2割。うち2本が内野安打で、会心の当たりが減っていた。この日は2打席に凡退し、7回にはルーキー糸原を代打に出された。広島との開幕戦は左腕ジョンソンが相手でスタメンは濃厚だが、遊撃のレギュラー定着は危うい状況だ。

 金本監督は練習量の低下を要因とした。「実際、キャンプの時より落ちている。振りの鋭さで言えば、一番振れていたのは去年の秋季キャンプ。何が言いたいかと言えば、秋季キャンプぐらい振れとは言わないが、あの時期を自分の目安にして、スイングスピードの速さをシーズン中に常に目指してほしい」。今月中旬は8日間の遠征があり、ビジター球場で練習量は減った。その中でもスイング数の維持を工夫できるはず。指揮官は奮起を促した。北條は「(オープン戦の)最後が全然ダメでした。まだまだ安定していない。練習しかない」と危機感をあらわにした。

 超変革路線の継続で戦力の底上げはできている。それを土台に飛躍するのは、選手次第でもある。「固定したいけど、そんな実力のある野手が8人いるわけない。あえて流動的になってくる」。昨年同様の日替わりオーダーを覚悟した。【田口真一郎】