プロ野球の熊崎勝彦コミッショナー(75)は5日、4日の阪神-ヤクルト1回戦の乱闘で退場処分を受けたヤクルトのウラディーミール・バレンティン外野手(32)に厳重注意と制裁金20万円、阪神矢野燿大コーチ(48)に厳重注意と制裁金15万円を科したと発表した。

 前日4日の試合では、5回に阪神藤浪が畠山へ死球を与えると、両軍がベンチから選手たちが飛び出し、入り乱れた状態の中で、バレンティンが最後方から突っ込み、阪神矢野コーチが倒れた。そこから矢野コーチが飛び膝蹴りで反撃するなど、大乱闘へと発展。

 バレンティンは矢野コーチを振り払い、突き倒した行為により退場処分を受け、矢野コーチはバレンティンの行為に対して応酬したことで退場処分を受けた。

 両者の制裁金に差があることについて、セ・リーグの杵渕統括は「バレンティンが最後に走って輪の中に入って、振り払おうとしたところで、矢野コーチに手が当たって、矢野コーチが大きく尻もちをつく形になった。それがなければ、あの事態が悪化しないで収まっていたんではなかろうかと。最初のきっかけ、要因になったところの重さをコミッショナーも見ました」と説明した。

 ヤクルトからNPBには、畠山に対する死球が危険球に当たるのではないかなどの意見書が提出された。