開幕から4連敗だった中日は初めて黒星を回避した。素直には喜べない延長12回ドロー劇だった。「負けなかったね。1つ勝つのは難しい。分かっているよ。それが野球でしょ」。4時間37分の試合を終え、森繁和監督(62)は開口一番、そう話した。

 主軸に少しずつ当たりが戻り、投手陣も粘りを見せ始めた。だが肝心の守護神田島がおかしい。1点リードの9回。制球を乱して連続四球で1死一、二塁。鈴木の左前打を、藤井が好返球したが、リプレー検証の結果、セーフに覆った。失望感が漂ったが、指揮官は「よく1点で終わった」と勝ち越されなかったことを評価した。

 田島は1日の巨人戦で阿部に逆転サヨナラ3ランを浴びていた。それに続くセーブ失敗だった。球に力がなく、制球も甘い。森監督は「信用して出しているんだけど。誰がやったとしても必要なポジション。手を打つかもしれない」と発言。ブルペンで最も計算ができると思われた右腕の配置転換の検討をにおわせた。

 開幕からの連敗記録は「4」のまま続いている。最長は80年の6。消耗戦のあとだけに、まだ苦しい戦いは続く。【柏原誠】