ヤクルトに新サヨナラ男が誕生だ! 鵜久森淳志外野手(30)が、2-2の9回2死三塁、代打で打席に立つと、代わったばかりの中日佐藤から2球目の直球を左翼線へ。2日のDeNA戦で、延長10回に代打満塁サヨナラ本塁打を放った男が、4月だけで2本目となるサヨナラ打。チームの連敗を6で止めた。

 打ちそうな雰囲気が漂っていた。球場のムードが鵜久森を後押しする。2日のDeNA戦で代打満塁サヨナラ本塁打を打ったばかり。代打で登場した9回2死三塁、佐藤の2球目、直球を引っ張った。左翼線への強烈な当たりは、球場のファンの期待どおりにサヨナラ打となった。

 「打った瞬間、サードライナーが怖かったけど、何とか抜けてくれと思った」。ナインが一塁付近に駆け寄り、祝福の水を浴びた。前回はデーゲームでも「初めてで、めちゃ寒かった」と答えたが、ナイターの今回は「今日はかなり冷静だったので、余計寒かった」と笑わせた。

 前回と同じく、投手の代わりばなをたたいた。「球種とチャートを頭に入れて。どれだけ準備で割り切れるか」。セ・リーグ移籍2年目となり、出番を予測できるようになった。相手のブルペンをじっと観察。冷静に「自分が相手にどう思われているのか」を考えながら、佐藤のイメージを描いていた。だからこそ、初対戦の相手にも、初球からスイングし(結果は変化球をファウル)2球目で直球を仕留めることができた。

 チームは負ければ最下位の危機を脱し、連敗を6で止めた。真中監督は「鵜久森は簡単にはできないことをした。素晴らしかった。打線に勢いがつけば」。またも出た自由契約を経験した苦労人の一打から、反撃を開始する。【斎藤直樹】

 ▼鵜久森が9回に代打でサヨナラ安打。鵜久森は4月2日のDeNA戦で代打満塁サヨナラ本塁打を放っており、月間2本の代打サヨナラ打は05年4月浅井(広島)以来。浅井は7日の阪神戦ではサヨナラ安打だったが、30日の巨人戦ではサヨナラ犠飛。代打サヨナラ安打を月間2本記録したのは77年6月12、13日の広島戦で2試合連続代打サヨナラ本塁打を放った若松(ヤクルト)以来40年ぶり。