阿部主将時代は6度のリーグ優勝と2度の日本一に導いた。その間は、坂本勇がプロのキャリアをスタートさせ、主力へと成長した足跡とぴったり重なる。近年の巨人は2人で引っ張ってきたといっても過言ではないだろう。一方で過去に浸るつもりはない。これから先も、勝つためには継続して強烈な存在感を放ち続ける使命を背負っている。高橋監督も「常に中心で引っ張ってくれていると感じている。今日は特に目立った」と坂本勇の推進力に目を細めた。

 首位広島と4ゲーム差の3位につける。ペナントレースは、まだ100試合以上を残し、勝負は始まったばかりだ。坂本勇は「(前カードの広島3連敗は)過去のこと。相手は強い。僕らはチャレンジャー」。阿部も「明日がもっと大事。俺らが頑張れば点が取れる」と語気を強めた。新旧主将の志に一切のぶれはない。【為田聡史】

 ▼前日無安打の坂本勇が4安打。これで無安打に終わった次の試合は2安打、1安打、2安打、4安打で、今季は2試合連続無安打がまだない。坂本勇の4安打は昨年8月19日阪神戦以来で、猛打賞は通算110度目となったが、この日は中堅へ1本、右翼へ3本。1試合で右翼方向へ3安打は16年5月20日中日戦以来4度目だ。今季の方向別安打は内野安打2本、左翼4本、中堅4本、右翼9本となり、引っ張った安打より流した安打が多い。