そんな左の大砲から、ヒントを得た。ある日、インスタグラムを眺めていると、1本のバットの広告に目を留めた。筒香も今季から取り入れたヘッドからグリップまで同じ太さの、赤茶色のこん棒バット。通常のバットよりも芯が中央にあり、前で球を打ってしまうと芯を外し、飛ばないつくりになっている。「筒香君も練習で使っていると聞いて」とすぐに購入を決断。「体の軸がブレない状態でバットを打つことを考えて」。筒香と同じ狙いを持って、今年から試合前のティー打撃に取り入れた。

 プロ24年目、ベテランの域に入っても進化しようと模索している。以前、今江が「理想の体形は(松井)稼頭央さん。あの年でもストイックに鍛えている。頭が上がらない」と話していたように、飽くなき探求心が土台にある。挑戦をやめないからこそ、メモリアルアーチという副産物が生まれた。【栗田尚樹】

 ▼通算200本塁打=松井稼(楽天) 22日のソフトバンク5回戦(ヤフオクドーム)の6回、加治屋から今季1号を放って達成。プロ野球100人目。初本塁打は西武時代の95年8月20日の近鉄20回戦(西武)で酒井から。スイッチヒッターでは松永(ダイエー=203本)に次いで2人目。41歳5カ月で達成は75年アルトマン(阪神)の42歳3カ月に次いで年長2位、日本人選手では04年古田(ヤクルト)の38歳10カ月を抜く最年長200本塁打となった。なお、200本塁打の第1号は55年藤村富(阪神)で、98人目12年井口(ロッテ)、99人目14年福留(阪神)100人目17年松井稼と、メジャーから復帰組が3人続いて100人目を迎えた。