打線は上位、下位ともに今季の特色が存分に出た。1回は2~4番の外国人トリオが、ペゲーロのフェンス直撃二塁打から、ウィーラー左安、アマダー中犠飛とパワーで先制点をもぎ取った。2回は6~9番の日本人が、技でもぎ取った。今江の流し打ちから、島内のたたきつけ安打、岡島のバスターで好機を拡大し、嶋の左犠飛でフィニッシュ。硬軟自在の攻撃が、しぶとい打線を形成している。

 これで球団史上最速の貯金10。梨田監督は「あまり貯金は関係ないよ。明日のことだけ」と平然としていた。それよりも、楽天グループの社員や取引先を呼んだ大観衆が「手応えよりプレッシャーでね。でも勝てて良かった」と胸をなで下ろした。試合後のベンチ裏には小島よしお、サンドウィッチマン、あばれる君ら芸能人がズラリと祝福に訪れた。東京開催らしい華やかな雰囲気。独走態勢に向け、お祭りムードは最高潮になった。【斎藤直樹】

 ▼松井裕が9回に細谷、ダフィー、鈴木と3者連続で3球三振。1イニング3者連続3球三振は、14年9月10日武藤(中日)以来でプロ野球17人、18度目。パ・リーグでは6人、7度目で楽天では初。なお3~5番のクリーンアップ相手に記録したのは史上初めて。

 ▼楽天が3連勝で、貯金を今季最多の10とした。楽天の2桁貯金は09年、13年に続いて3度目で、両リーグ最速で2桁貯金を記録したのは球団史上初めて。楽天は開幕18試合目で貯金10としたが、18試合以下で2桁貯金としたのは13年巨人(16試合)以来。パ・リーグでは89年オリックス(14試合)以来で28年ぶり。