お家芸の大逆転をやられてしまった。広島が4月8日から守ってきた首位をついに譲り、ゲーム差なしの2位に転落した。5回表終了時点で9-0の大量リード。阪神先発福永をKOし、広島先発はエース級の岡田だ。だが油断か、スキか。5回まで1失点だった先発岡田が6回に急変し4四死球。余裕がなくなりストライクをとるのに精いっぱい。「修正出来なかった。チームに申し訳ない」とうなだれた。悠々1人旅のはずがマウンドを降り、歯車が崩れた。

 2死満塁とされ、投入された中田が3点三塁打を浴び1点差。7回にはイニングをまたいだ薮田がつかまった。前日5日には加藤が5回もたずに降板、一岡も炎上した。薮田が不調で中田への負担は大きい。誰かがイニングをまたがなければならない状況だった。それでも先発岡田を代えざるを得なかった。緒方監督は「オレの責任。野球に絶対はないにしても、今日は勝たないといけない試合だった」。9点差の逆転負けは球団史上ワーストタイ。声をからしたファンの期待に応えられなかった。