阪神高山は「菅野キラー」としての立場を固めながらも、好機での凡退を猛省した。1回無死の1打席目は9球粘って四球をゲット。3回無死一塁では高め直球に力負けせず、中前に持っていってチャンスを拡大。5回2死からはカーブにグッとこらえ、右前に運んだ。ただ、勝負どころではギアチェンジした菅野にねじ伏せられた。

 「あそこと、最後もそうですけど…。ああいうところで打たないと、バッターとして価値がない。悔しいですね」

 自戒した場面は1点リードを奪われた直後の7回裏だ。先頭代打キャンベルが中前打を放ち、続く代打荒木の送りバントを菅野が野選。無死一、二塁と押せ押せムードの中、見逃し三振を喫した。

 フルカウントから最後は内角低め151キロを見極めるも判定はストライク。珍しく驚きのあまり審判に顔を向けたが、この三振から3者連続三振で反撃ムードは一気についえた。

 1点を追う9回2死二塁では守護神カミネロの前に中飛。試合後の表情には悔しさしか残っていない。これで今季は菅野相手に2戦連続マルチ安打の、7打数4安打。ここ4試合では3度目のマルチ安打を記録したが、満足感はゼロだ。勝負どころでの1本を貪欲に求め抜く。【佐井陽介】