前夜の巨人戦。左腕吉川光の144キロ直球が顔面を直撃し、鼻からの流血が止まらず、兵庫・尼崎市内の病院へ直行した。鼻骨骨折で、2カ所が折れている重傷だったが、試合前練習に合流。前夜発注した特注の黒いフェースガードを着用し、金本監督に「スタメンでも行けます!」と直訴した。

 指揮官は「さすがに僕が止めました」と振り返るが、強行出場したおとこ気にナインが奮い立った。初回先頭の糸井が、8試合ぶりの安打を中前へ運んだ。これが号砲となり、上本の左中間を破る適時二塁打で先制した。鳥谷の“代役”キャンベルにも来日初アーチとなる2ランが飛び出すなど、初回だけで4安打4得点の猛攻。糸井は「勝って良かった。それだけ」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 金本監督は今日26日DeNA戦以降の出場については「様子を見ながらですね。あれだけ腫れがあると、こっちも怖い。また出血とか」と説明。「本人は出ると言っているけど。守ってやらないといけないところも正直、僕はあると思う」と続けた。連続試合出場は1795に伸ばした。当面は途中出場が続くかもしれない。それでも、その存在が虎の活力につながる。