リードした後の延長10回は一岡が締めた。普段と異なる役割、場所でも全力で全うした選手が頼もしい。「石原がチャンスメークして、西川もよく打った。いっちー(一岡)も簡単な場面じゃないけど、勇気を振り絞って投げてくれた」と褒めた。8回には下半身に不安のある菊池が出塁すると、代走上本を起用。コンディションの考慮もあろうが、戦力を余らせない攻撃で襲いかかった。

 2点を追っていた7回には円陣を組み、直後にエルドレッドが同点2ラン。中継ぎ陣も5投手がゼロを並べた。常々口にするのが「試合のなかでチャンスは2、3度」。2回と9回に無死二塁を2度逃したが、3度目の延長10回は逃さなかった。意図が伝わったように選手も躍動して勝った。

 これで5連勝を飾り、5日以来、23日ぶりの首位に戻った。巨人戦は初優勝を飾った75年以来の7連勝。さらには優勝した昨季の6よりも多い貯金10で、交流戦に入る。「また1戦、1戦、しっかりやっていく」と指揮官。コイの季節が、再び訪れる。【池本泰尚】