ソフトバンク柳田悠岐外野手(28)が、3試合連続の23号先制2ランを含む3打数2安打で首位打者となり、打撃3部門でリーグトップに立った。前日7日には右膝下に自打球を当て病院に直行したが、そんなアクシデントに負けない3打点の活躍。04年ダイエー松中以来、史上8人目の3冠王も夢ではなくなってきた。チームは日本ハムに快勝し今季初の6連勝。今季最多の貯金26で首位をキープした。

 前日病院に直行したとは思えない、下半身の粘りだった。柳田が初回、いきなりバックスクリーンへ先制2ランをたたき込んだ。「頭になかった球だが、ピタッと止まれてうまく反応できた」。日本ハム井口のカーブにタイミングをズラされかけたが、しっかりフルスイングでとらえた。続く3回の第2打席では中前に適時打を放ち、1人で序盤の3点を稼いで日本ハムを突き放した。

 前日7日の5回、自打球が右膝下を直撃した。そのまま札幌市内の病院へ直行し「右膝蓋(しつがい)骨打撲」と診断された。この日朝もアイシングなど懸命の治療を続けた。まだ痛いかと問われると「試合に出る以上はやるしかない」。言い訳はせず、グラウンドに立ち続けて結果を残した。

 この日の3打数2安打1本塁打で打率3割2分4厘、23本塁打、75打点となり、現時点のパ・リーグ3冠王となった。「(打率は)動く数字。ほかの人のもある。シーズンは長いので」と数字には興味を示さず。好調の秘訣(ひけつ)には「(今は)間が長い」としっかりボールを呼び込めていることを挙げた。