母校の進撃をプロ1勝へのエネルギーにする。昨年のプロ野球ドラフト2位でDeNA入りした水野滉也投手(23)が母校東海大北海道に電光掲示板を贈り、13日、贈呈式に出席した。1年目の今季、5月3日巨人戦で1軍で先発デビューしたが黒星を喫した。現在は2軍で、1軍再昇格を目指している。母校は6月の全日本大学選手権で初の4強に進出。後輩の活躍も活力にする。

 ベイスターズ風にブルーに着色されたスコアボードを前に、水野があらためて感謝の思いを口にした。「立派なものができてうれしい。4年間お世話になり、プロに入れたのはこの野球部のおかげ。少しでも力になれたらという思いが強かった」。昨年のドラフト指名直後に構想が浮上。母校への恩返しとして水野自身が約100万円の資金を捻出。グランド右中間スタンドに3日、設置された。

 短い帰省で、リスタートへの闘志もかき立てた。「フレッシュオールスターゲーム2017」による中断期間を使い、この日札幌入り。気温30度を超す熱風の中で約15分、4年間練習した母校の土を踏みしめた。6月の全日本大学選手権で、在学中に一緒に汗を流した後輩たちが4強に進出。自身がいた昨年の8強超えを果たした。「練習の合間、食堂のテレビで戦況をチェックしていた。自分も負けてられないと思ったし燃えてきた」。1泊2日と短い道内滞在でさらに気持ちを高め、プロ1勝を手繰り寄せる。

 プロデビュー戦となった5月3日巨人戦は、先発して4回2/33失点で敗戦投手になった。その中で坂本勇、阿部ら日本を代表する打者から三振を奪い、収穫もあった。その後、右肩負傷で1軍登板機会はないが、既に投球練習を開始。公式戦のガチンコ勝負でつかんだ自信を糧に、進化を図っていく。

 高橋葉一監督(51)は「後輩に励みになるものを贈ってもらった。自分たちも次は日本一を目指せるように。水野にも、もっと頑張って欲しい」とエールを送った。スコアボードは、同監督のアイデアで東海大のスクールカラー青をベースに、DeNAのチームカラーに近いスカイブルーで「TOKAI」とデザインした。心は常に北海道にある。北国の熱い応援を背に、水野が過酷なプロの試練を乗り越えていく。【永野高輔】

 ◆水野のデビュー戦VTR 5月3日巨人戦(東京ドーム)に先発。初回2死から3番坂本勇を三振、2回先頭の4番阿部も三振。その後、2死二、三塁で8番小林に2点適時打を打たれる。3回には先頭立岡に右翼線三塁打、続く2番橋本到に左前適時打を打たれ3点目を献上。5回1死一、二塁で4番阿部を右飛に打ち取った時点で降板。4回2/35安打3失点だった。