あるぞ、ショート西岡! 阪神金本知憲監督(49)が20日、西岡剛内野手(32)の遊撃起用を選択肢に入れていることを明かした。糸原健斗内野手(24)が右膝の負傷で戦線離脱。代替の遊撃候補には、大和と今日21日に1軍復帰予定の北條が挙がるが、「人工芝だったら、あるかもしれない」と西岡も加えた。今日からのヤクルト3連戦は人工芝の神宮。タテジマ初遊撃の西岡が苦境を救うか。

 実現すれば、近年では異例の起用になるかもしれない。糸原の負傷離脱により、遊撃の選択肢が一つ減った。遊撃を守れるのは、大和と1軍復帰が決まった北條の2人。打撃好調の鳥谷は三塁固定が確実だ。金本監督は、もう1つのオプションに言及した。左アキレス腱(けん)断裂から復活中の西岡を起用するプランだ。

 「人工芝だったら、あるかもしれない」

 指揮官は可能性を捨てなかった。3番糸井が右脇腹を痛め、ファームでリハビリを開始。糸原は打撃の調子を上げ、7番の打順で得点に絡んでいた。2人を欠くのは、あまりにも痛い。攻撃力の維持が今後の課題になる中で、西岡を遊撃候補に挙げた。

 金本監督にとって、それだけ背番号5は頼りになる存在だ。17日の広島戦で1年ぶりに1軍に復帰。3戦連続安打で、11打数4安打、打率3割6分4厘を記録した。前日19日の同カードでは7回に同点タイムリーを放ち、ここ一番での勝負強さも健在だ。守備位置も一塁、中堅とすでに2つのポジションを守っている。不慣れなポジションでミスもあるが、チームに貢献しようと必死だ。

 遊撃の守備に関しては、阪神移籍後、1軍では経験がないが今季は2軍戦で4度出場している。金本監督は「さすがに土のグラウンドは無理やろ。どうやろ、分からん。本人も土は自信ないんじゃない?」と話すが、甲子園でもプレーは済ませている。西岡自身も出場機会を求めるため、今季は複数ポジションをこなしてきた。遊撃の準備もOKだ。

 17日の復帰戦で、こう話している。「アキレス腱(けん)を切ったから、スピードが落ちた、とみられがち。スピードを見てもらいたかった」。アキレス腱(けん)を断裂した選手が遊撃の守備に就くのは、異例中の異例だろう。遊撃のカードを切るか。金本監督の決断に注目が集まる。【田口真一郎】

 ▼西岡が遊撃を守れば、国内ではロッテ時代の10年10月1日オリックス戦に1番でフル出場して以来となる。03~10年に在籍したロッテでは、守備位置別最多の732試合に遊撃手として出場。ベストナイン3度(05、07、10年)、ゴールデングラブ賞も2度(07、10年)獲得している。またメジャーでは、11年にツインズで60試合に遊撃で出場。今季ウエスタン・リーグで遊撃に入った4試合は、いずれも1番スタメン。フル出場と途中交代が2試合ずつあった。