中日は助っ人勢が全8点を挙げる活躍で、広島に打ち勝った。マツダスタジアムでは今季7戦目で初勝利だった。

 先発バルデスの2回の逆転3点二塁打にはじまり、ビシエドが3回に14号3ラン。さらにゲレーロが25号、26号のソロと効果的に加点した。強力広島打線にじりじり追い上げられる緊張感の中で、相手の勢いを断ったのは3番手岩瀬だった。

 7回からイニングをまたいでいた又吉が8回に1点を失い、3点差に詰められた。なお2死二、三塁。球場全体が広島の大逆転を期待して押せ押せムードに包まれた。そんな過酷な状況で登板した。田中に対して初球142キロ見逃し、2球目は143キロ空振り、3球目は微妙に滑る直球を外角に完璧に制球し、空振りを奪った。

 42歳左腕は「早く勝負をしないと1球で(状況が)変わってしまうので」と直球での3球勝負を振り返った。友利投手コーチは「状況がよく分かっている。ベテランらしい」と、田中1人に全力勝負をかけた投球に脱帽した。

 岩瀬は今季41試合目の登板。通算945試合で、金田正一を抜いて単独2位になった。米田哲也の史上最多949試合まで「4」。存在感も注目度も日に日に高まっている。【柏原誠】