ソフトバンク武田翔太投手(24)が、ロッテ14回戦(ヤフオクドーム)で6回1安打無失点と好投し今季2勝目を挙げた。4月5日楽天戦以来108日ぶりの白星。右ふくらはぎがつり、6回79球で降板となったが、昨季14勝右腕が苦しんだ右肩違和感から復活した。チームは後半戦負けなしの5連勝。今季最多の貯金28とした。

 やる気ない投法? ソフトバンク武田がグラブと右手をへその下に置く新投法で復活した。「ダラーンとやる気がないくらいに腕の位置を下げた。力を抜こうと」。

 前回5日オリックス戦では胸の前で両手を合わせていたが、思い切って下げた。「いい感じに力が抜けていた。自分の中でも腕がたたけていた」。初回、得意の縦に落ちるカーブで連続三振。直球にも球威が戻り、横へのスライダーもキレた。6回に右ふくらはぎがつり、79球での交代はもったいなかったが、108日ぶりの2勝目が何よりの収穫だ。

 追加招集されたWBCで3月に右肩を痛めた。4月中旬からはリハビリ生活。「思い通りに投げられないのが嫌」。それでも、逃げることなく右肩と向き合った。6月28日に先発復帰も2戦連続で5回も持たなかった。12日楽天戦は先発を松本裕に譲り、リリーフ待機。「深く考えないように、今の状態では結果は出ない。自分に期待しない」と昨季14勝右腕は厳しい現状を受け入れた。

 右肩は治っても、かばって投げていたクセが残りムダな力が入っていた。上半身と下半身のタイミングも合わなかった。数日前に100メートル遠投した時に、脱力へのヒントを見つけた。「今日は自分に期待できた。たくさん迷惑をかけたので、前半戦の穴を埋められるようにしたい」。言葉にも自信が戻った。楽天とのデッドヒートを続ける後半戦。武田の復活が、チームを押し上げる。【石橋隆雄】