阪神はメッセンジャーさまさまのゲームだった。3回無死、ヤクルト小川から来日8年目にして初本塁打。先取点を奪うと、投球でも150キロ近くのストレートと110キロ台のカーブで緩急をつけ、ヤクルト打線から今季最多タイとなる12三振を奪うなど、8回無失点。自身通算6度目となる10勝目を手にした。

 「(本塁打は)間違いなく風だと思うけど、気持ちよかった。たくさんのファンの前で1本打てて、よかったと思います」と喜んだ。お立ち台ではファンにむけて「ガンバリマス」と日本語で答え、初本塁打&節目の10勝に上機嫌だった。

 球宴休み中の練習日に室内練習場で、バットを振り込んだ。以前、鳴尾浜でもがく若手たちに向けて「練習でできないことは試合でもできないからね」とメッセージを送ったことがある。その言葉を体現するかのような、練習の裏付けがある来日初アーチとなった。

 チーム史にも名を刻んだ。阪神の外国人投手で2桁勝利数はジーン・バッキーの5度が最多だったが、これを上回る6度目となった。金本監督も「安心して見ていられた。今日は久々に良かったんじゃないかな」。けがによる離脱者続出のチームにとって、メッセの好調は心強い。【山川智之】

 ▼メッセンジャーが来日初本塁打を放って10勝目。本塁打を打った阪神の外国人投手は08年7月29日ボーグルソン以来で、勝利打点付きのVアーチは99年8月22日巨人戦で勝ち越し本塁打のミラー以来、18年ぶり。メッセンジャーの2桁勝利は2年連続6度目。外国人投手で6度の2桁勝利は郭泰源(西武)に並ぶ最多回数となり、セ・リーグの外国人投手で6度は初。