巨人阿部が「難攻不落の岐阜城」で2000安打の大台を見つめ直した。24日、岐阜入りし全体練習に参加。球場の左翼後方には金華山がそびえる。練習後、ゴンドラに乗って岐阜城を目指した。ねじり鉢巻きをギュッと締めた。織田信長が天下統一の拠点にした場所。長良川を見下ろす眺望は絶景だった。「難攻不落といわれる城だけど、何かを成し遂げるのは簡単なことではない。ここにきて改めて痛感させられた」としみじみ言った。

 球団史上生え抜きでは5人目の大台まで残り19安打と迫っている。「意識はしていないけど頭のどこかにはあると思う」。無意識の重圧が打撃を狂わせている。ここ10試合は、32打数6安打、打率1割8分8厘と精彩を欠く。試合前練習でロングティーを取り入れるなど改善の糸口を模索する日々が続いているが「自分の打撃をするのは変わらない」と言い聞かせた。

 個人記録よりもチーム優先の精神が、きっかけをもたらす。今日25日からの首位広島との3連戦に向け「首位相手なので自分たちが、1つずつ上に行くためにチームの勝ちにつながる一打を打ちたい。やっぱり、どんな状況でも1本1本の積み重ねが大事になる」。チームの白星が、大台へのラストスパートの原動力になる。【為田聡史】