パンダ株が急上昇だ! 阪神の新外国人ジェイソン・ロジャース内野手(29=パイレーツ3A)が今後も4番で起用されることになった。金本知憲監督(49)は24日に「ハマッてくれれば…」と主軸での活躍を期待した。来日から5試合で打率4割1分2厘、2本塁打の成績を残し、「(打撃を)見習ってほしい」とまで言わしめた。きょう25日からはDeNAとの3連戦(甲子園)。1ゲーム差に迫る3位チームを、100代目の4番が粉砕する。

 猛虎100代目の4番が打倒DeNAのけん引役になる。新外国人ロジャースは前日23日に初めて打線の中心に座り、マルチ安打を記録した。来日5試合で、打率4割1分2厘に2本塁打と好スタートを切った。金本監督はこの姿に、4番継続の方針を固めた。「ハマッてくれれば、いいけど…。並びもいいしね。ジグザグを組める確率も高い」。開幕から3番糸井-4番福留と主軸に左打者が並んだ。ロジャースが4番に入ることで、左右のバランスが良くなる。これは開幕前から描いていた指揮官の理想だ。夏場にようやく実現する流れになった。

 ロジャースの評価は急上昇中だ。金本監督が絶賛したのは、22日のヤクルト戦での打撃。最終回に守護神ルーキの154キロ速球を、右前に流し打った。「ルーキの速い球を打ったのが、よかった。軽く打ったもんな。あれを見習ってほしい。ガーンと振るのではなく、コンパクトに。速い球をああやって打てる選手だ」。昨年からチーム全体で速球に力負けする場面が目立った。この課題に対処できなければ、打線の向上はない。新外国人の打撃を、その手本として示した。片岡打撃コーチも「コンパクトに振れるから、三振が少ないよね」とたたえる。早くも首脳陣のハートをつかんだ。

 きょう25日からは本拠地でDeNA3連戦。相手は今永、ウィーランド、石田と好投手を並べる。3位で肉薄する相手に対し、攻撃陣の奮起が必要となる。ロジャースの打撃がチームの上積み材料になる。「自分の持ち味を出せるようなバッティングをしたい。チームに貢献する打撃が一番さ」。ロジャースに本塁打狙いで振り回す考えはない。

 この日、金本監督は帰阪の途中で、思わずテレビの画面を見た。「あっ、パンダが映っている、テレビに(笑い)」。本物のパンダがニュースに登場していた。虎のパンダの存在感も日ごとに増している。【田口真一郎】