中日は福田の起死回生の3ラン2発を空砲にしてしまった。延長戦の末のサヨナラ負けで3連敗だ。

 ミスの連発で失点を重ねた。序盤に吉見が2ランを2本打たれ、内野手の落球が2つあった。ともに失点につながった。吉見は5回に投手の原樹に勝ち越しの適時二塁打を打たれた。

 福田は4回に同点3ラン。さらに2点差の8回に逆転の4号3ラン。神がかり的な勝負強さで、さすがにチームも勢いづくと思われたが、2度とも流れにつなげられなかった。

 劇的な逆転アーチが出た直後、8回の守り。7回途中から登板していた又吉が1死一、三塁で、プレートを外さず一塁けん制を偽投(投げるポーズだけ)したとしてボークを宣告された。「あの外し方だと投げないといけなかった。打者に(気が)入りすぎた」と又吉は反省した。

 延長10回、新人笠原が2死満塁から山田にストレートの押し出し四球を与え、乱戦は終わった。プロ初黒星の左腕は「腕を振ろうと思っていたんですが」と悔しそうだった。【柏原誠】