ヤクルトが66年ぶりの大逆転劇を見せた。5回までに0-10と敗戦ムード濃厚の一方的な展開。しかし、6回裏の攻撃前に三木肇ヘッドコーチ(40)が円陣を組み「苦しい状況は間違いないが、何が起こるか分からない。1点、2点と取るのを試合が終わるまでやろう」とゲキを飛ばすと雰囲気が変わった。

 7回に中村が2ランを放ち8点差、8回、3番バレンティンが無死一塁から2ランを放ち、6点差とすると打線が止まらない。1死満塁から上田の犠飛で5点差。2死一、二塁から中村、坂口、山崎と3者連続の適時打で2点差に迫ると、続くバレンティンが四球を選び2死満塁。4番山田が左前へ2点適時打を放って、試合を振り出しに戻した。

 最後は延長戦に突入した10回に代打大松尚逸内野手(35)が中日伊藤から147キロの直球を完璧にとらえ、右中間にサヨナラのソロ本塁打を突き刺した。セ・リーグでは1951年の松竹大洋戦で10点差をひっくり返した大逆転劇。大松は「みんなの気持ちが最後にいい形でつながってくれて良かった」と話した。

 真中満監督(46)は「まさか追いついてひっくり返すとは。今年は悪い記録更新ばっかりだったが、いい記録が出て良かったです」と話した。