楽天則本昂大投手(26)が、リーグ最速の10勝目をつかんだ。8回表2死走者なし。ソフトバンク今宮に154キロの剛球を投げ込んだ。外角低め。見逃し三振。大きくほえ、強く拳を握りしめた。8回1失点は6連続三振で締めた。「ホームで達成できたことが良かったですし、相手がソフトバンクさん。その中で2ケタ勝ったことはこれからの自信になります」と。

 尻上がりに調子を上げた。後半戦初登板。球宴を除けば中14日。「試合感覚というのは、投げていかないとつかない」。3回には、下位にストレートの四球も出した。5回までは毎回走者を背負った。苦しみながら、最少失点でこらえた。

 理想を見た。セ・リーグでは巨人菅野が一足先に10勝に到達。「この前の菅野さんの投球はすごかった。僕の中の目標というか、刺激し合いながらできる」。自ら連絡した。「僕も続けるように、頑張ります」。かねて親交ある先輩との約束を実現した。

 頂上対決を先勝した。「シーズンここまで来てしまえば、もう自分の成績どうこうではなくなる。どんだけヘタクソな野球でも、勝ってしまえばそれがすべて」。辛抱強く、泥臭く。エース則本は、しぶとさも兼ね備える。【鎌田良美】

 ▼則本がリーグ最速の今季10勝目。プロ入り5年連続2桁勝利は03~07年和田(ソフトバンク)以来で、ドラフト制後(66年~)に入団した投手では7人目。また楽天投手のリーグ10勝一番乗りは08年岩隈、13年田中に次いで3人目。則本は通算60勝も達成。同じ13年入団の菅野(巨人)はまだ54勝で、プロ5年目以内に60勝到達は11年田中(楽天=5年で65勝)以来。