移籍初日に初安打初適時打だ。26日に巨人から楽天への金銭トレードが発表されたルイス・クルーズ内野手(33)が、同日夜のソフトバンク戦にいきなり「6番・遊撃」でスタメン出場。持ち味の守備では3イニング連続の併殺にすべて絡んだほか、打撃でも8回の第4打席で左前打をマーク。チームにダメ押しの4点目をもたらし、2位ソフトバンクを2・5ゲーム差に突き放した。

 7時間前に入団会見に臨んだばかりの助っ人が、早くもお立ち台のヒーローになっていた。真新しい背番号「67」のユニホームに身を包んだ楽天クルーズは、まだ少したどたどしい日本語で言った。「ヒサシブーリー!」。活躍し、ファンの大歓声を浴びる。久々に味わう、懐かしい喜びだった。

 この日朝、トレード決定を告げられた。巨人では今季、外国人枠の影響もあって1軍出場9試合にとどまっていた。楽天は二塁藤田が腰痛、遊撃茂木が右肘骨挫傷で6月から離脱中。安部井チーム統括本部長が「センターラインを強化したかった」と話すように、ゴールデングラブ賞獲得など二遊間で華麗な守備をこなすクルーズは補強ポイントに合致。推定2億4000万円の年俸を引き継ぐ形で単年契約がまとまった。

 クルーズ 腐らずに一生懸命やっていれば、どこかのチームでチャンスがあると思っていた。昨日から、1日で世界がガラッと変わったように感じている。