大谷弾がサヨナラ勝ちを呼び込んだ。日本ハム大谷翔平投手(23)が17日、ロッテ18回戦(札幌ドーム)でルーキーを救う同点アーチを放った。6-7で迎えた7回、右翼席中段へ豪快に放り込んだ。直前に、札幌ドーム初登板だったドラフト1位堀が2被弾で逆転を許していたが、ひと振りで試合を振り出しに戻した。チームは延長11回、相手失策で今季4度目のサヨナラ勝ち。3連勝でロッテ戦の勝ち越しを決めた。

 予想外の結末だが、勝利なら何でもいい。7-7の延長11回裏。日本ハムに野球の神様がほほえんだ。1死一、二塁の好機で、ロッテ松永の二塁けん制球が悪送球に。遊撃手の三木のグラブをかすめたことで送球の方向も変わり、中堅手の荻野もカバーできなかった。ボールが中堅フェンスへ向かって転々とする間に、代走岡が歓喜のホームを踏んだ。両軍合わせて7本塁打は札幌ドームで最多タイの乱戦は、思わぬ最高の形で決着した。

 今季4度目のサヨナラ勝ちを呼び込んだのは大谷だ。1点を追う7回先頭、初球だ。打った瞬間に、確信した。打球を見つめながら1歩、2歩と歩き出した。「インコースの難しいところだったんですけど、うまく反応できた」。推定飛距離120メートルの同点5号ソロを右翼席中段へ突き刺した。「飛んだかどうかより(フェアゾーンから)切れなかったことが良かった。いいアプローチができていると思う」。漂っていた不穏な雰囲気を、たった一振りで振り払った。