巨人が4連勝で勝率5割復帰を決めた。借金完済に導いたのは坂本勇人内野手(28)だった。3回1死一、二塁、中日吉見の初球の内角138キロを右肘をたたんで振り抜いた。左越えの先制適時二塁打で打線に勢いを呼び込み、打者9人で4得点。12安打9得点の猛攻で、5月27日以来の勝率5割に復帰した。「初球から積極的に打ちにいってひと振りで仕留められて良かった。5割に乗ったのは良かった」とほおを緩めた。

 勝負強さと思い切りの良さで借金返済に貢献した。5月28日からこの日までの借金生活での決勝打は、チーム1位の7度。今季通算でも12度と、阿部と広島丸と並んでリーグトップタイにつける。「悪いなりに1本出たり四球を選んだり、そういうので貢献できた」と高い好球必打の意識が勝負強さの下地にある。また今季133安打中、カウント別での最多は初球の24本。狙った球をひと振りで仕留める高い集中力と技術で借金完済へと引き上げた。

 そんな頼もしい姿は、夏の甲子園の主役をも引きつける。この日、自らの内角打ちを参考にするという広陵・中村が1大会最多6本塁打を記録。「似てるねって言われます。すごい記録ですし、決勝戦でも打ってほしい」とエールを送った。

 球団ワーストの13連敗やGM交代などでチームは揺れ、一時は借金が最大11まで膨れ上がった。苦しい期間もようやく終わりを迎えたが「ここからが大事」と引き締めた。まずは2ゲーム差の3位DeNAの背中を猛追する。【浜本卓也】

 ▼巨人が5月27日以来の勝率5割復帰。7月3日時点の巨人は31勝42敗で今季最多の借金11。同4日からは24勝13敗1分けとなり、この間の勝率は広島を上回るリーグトップの6割4分9厘を記録し借金を完済した。巨人の借金10以上は今年で7度目だが、2桁借金を完済したのは92年(最多借金12)11年(同10)に次いで3度目。最終的に92年は貯金4の2位、11年は貯金9の3位。2桁借金を完済したシーズンの巨人は過去2度ともAクラス入りしたが、今年はどうか。