福島ホープスの岩村明憲選手兼任監督(38)が、3年目で初先発となる「1番DH」として出場し、2安打を放って21年間の現役生活にピリオドを打った。

 5回無死一、二塁から左前打を放つと、7回には先頭で中前に打ち返した。バントで二進を果たし、自らに代走を送って幕を引くと、創設最多の3600人以上も駆けつけた観客が声援を送った。「4打席も頂いた。体が悲鳴を上げていた」。初回から2打席連続で凡退すると、ベンチ裏で素振りをして準備した。「プレッシャーに負けそうなぐらいの期待感があった」。日米通算1585安打にBCリーグ通算14安打を加え、計1599安打でバットを置いた。

 恩師中西太氏(84)から授かった座右の銘「何苦楚魂」を貫いてきた。

 「175センチしかないのに、ここまでやってこれた。奥歯を踏ん張りながらつらい練習に耐えてきたおかげ」。

 通期勝率2位を確定させ、3年連続で地区チャンピオンシップ(前橋、16日開幕)進出を決めた。「代打俺」については「さすがにもういいでしょ(笑い)」と封印し、采配のみに集中する。来季については「これから」と話したが、監督専任でチームに残る見込み。「第2の岩村を育てたい」と熱く語った。