日本ハム一筋15年の小さな鉄腕・武田久投手(38)が、今季限りでの退団を決断したことが11日、分かった。球団から、9月に入り引退を勧められたが、現役続行への意思は固く、他球団でプレーする道を模索することになった。

 170センチの小さな体には、人一倍の闘志が秘められている。本拠地移転前年の03年に入団。06年にはマイケルへつなぐセットアッパーとして40ホールドを挙げ、移転後初のリーグ優勝、日本一に大きく貢献した。09年に守護神となり、最多セーブ3度を獲得し、常勝チームを支えた。

 15年に両膝を手術し、昨年7月27日西武戦で1軍マウンドに復帰。3年ぶり開幕1軍スタートとなった今季も、膝の状態が思わしくなく、5月に登録を抹消。一時は投球練習すらままならない状態となったが、不屈の闘志で再度戦列に復帰した。2軍戦では8月26日のDeNA戦で2イニングを投げ、2奪三振無失点に抑えるなど復調気配を見せており、本人も「春よりも状態は上がってきている。勝負できるところまできている」と、手応えも感じていた。

 チームは連覇を逃し、4年ぶりのBクラス転落も決定的な状況。選手起用は来季以降を見据えながら、若手登用が増えている。チーム事情も理解しているベテランは、慣れ親しみ、愛着のある日本ハムのユニホームに別れを告げてでも、1軍マウンドでもう1度打者と勝負するために、新たな道を模索していく。